超入門 ボブ・ディラン (知恵の森文庫)
によって 中山 康樹
3.9 5つ星のうち(10人の読者)
超入門 ボブ・ディラン (知恵の森文庫)本ダウンロード無料pdf - 内容(「BOOK」データベースより) ディランは「難解」ではない!10枚のアルバムをひもとくだけで“聴きかた”がわかる!ディランを知るための最短ルートを教えます。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 中山/康樹 1952年生まれ。音楽評論家。2015年1月28日没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
超入門 ボブ・ディラン (知恵の森文庫)の詳細
本のタイトル
超入門 ボブ・ディラン (知恵の森文庫)
作者
中山 康樹
ISBN-10
4334787150
発売日
2017/2/9
カテゴリ
本
ファイルサイズ
29.6 (現在のサーバー速度は24.81 Mbpsです
以下は 超入門 ボブ・ディラン (知恵の森文庫) の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
理解しづらいことや難しいことが学術的で、どこか権威があると思ったら大間違いだ。また難しいことを難しい言葉を沢山使いながら説明すると、頭が良さそうに見えるのも錯覚だ。一番、クールで賢いのは、難しいことをわかりやすい言葉だけで、わかりやすく、尚且つ興味を削がぬように、伝えることだと思う。だから渋谷陽一のロック評論は、出始めの頃、確信的であったし、糸井重里のコピーも斬新であった。現在、週間文春に連載を続ける哲学者 土屋賢二氏の文章もロジックを用いつつ、ユーモアを交えながら、平常を切り取るから、面白く読める。また無作為に例を挙げるとすれば、橋本治氏の初期エッセイも、これでもかと言わんばかりに、思考したことを単純な言葉でしつこく畳み掛け、言い切るところが痛快であるし、映画批評家である町山智浩氏の文体も、平易ながら、逃げ場がないほど、シンプルで分かりやすい。(だからこそ、そこに含まれている毒が感染しやすい)前置きが長くなったが、この本のタイトルは”超入門”とあるが、本当にボブディランをちゃんと聴いたことがない初心者向けの内容ではない。寧ろ、当方のような一通りディランを聴き込み、「ディランをわかった気になっていた」自称昔からのファンべきこそ、読むべき良書だと思う。本当に面白く、わかりやすく、ものの一時間もあれば、読めてしまう一冊。あくまでも自論であるが、「入り口と出口」は同じであると信じてやまない。本作の筆者も別の作品で事細かにディランを解説するほど、全作品を網羅し、聴き込んでいる、信頼のおける音楽評論家でありながら、敢えて本作では「ディランは何も考えていない」と言い切り、聴かなくていい作品を上げたり、聴くべき10作品を、独自論を展開しながら、はっきり言い切ってしまっていて潔い。入口にも出口にも辿りつけていない連中が「いや、あのアルバムが入っていないのはおかしい」だの「あの曲の間奏こそが素晴らしいのに」だのウタウダいったとしても、この評論を前にしたら、チンケな戯言にしか過ぎない。筆者は何周もしたうえで、はっきりと言い切る境地にまで至っているのだ。歯が立たないのは当たり前だ。解りやすさを追い求める代償として、必然的に極論となりがちのため、異論を挟みたくなる気持ちもわからないでもない。またマニアックなエピソードを掻き集めて、論理を構築するというナルシズム溢れる内容でなく、自分自身の言葉で自信を持って(若干、強引ながらも) 有無を言わせず、ところどころ、このディランという御大を茶化しながらも、自論が展開されていくので、ついつい読み進んでしまう。但し、ここには筆者のディランに対する尊敬を超えた大きな愛情を感じざるを得ない。ディラン”最高!”とか”偉大”だとか、崇め奉るのはカンタンだが、どこがどう凄いのかがわかる一冊。自称ディランフリークスのヒトにも是非読んでもらいたい。ディランをわかろうとすることがいかにナンセンスだと気づかせてくれる奇跡の一冊である。
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